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トロピカーナ・アベニューで起きた「日本人女児誘拐未遂事件」によせて

昨日、クアラルンプールじゅうの親を震撼させるニュースが飛び込んできました。

私が第一報を知ったのは、事件翌日の水曜日。
たまたまランチミーティングをしていた仕事仲間からの情報でした。

そして昨日、詳しい場所入りのテキスト情報が、その後、被害に遭われたご本人のブログ「マレーシアの誘拐未遂事件」が、あちこちからシェアされてきました。

トロピカーナ・アベニューはわが家からも近く、週に1度は買い物に行くところなだけに、とてもショックでした。
清潔でオシャレなヴィレッジ・グローサーでよく買い物するし、オーガニックストアのJust Lifeも、角のイタリアン(ピザが美味しい)も大のお気に入り。
うちの子たちは、等身大のドラえもんがいる和食店が好きです。

テキストで事件が起こった場所を知ったとき、隣はあのインターナショナルスクールだから、まさかあの母娘じゃないといいけど……と思っていたら、悪い予感が的中してしまいました……。
事件被害者の須藤さんは、前の学校でお嬢さんと次男じろうが同じクラスだったので、会えば挨拶するくらいの顔見知りです。

母子留学の人たちが普段どれだけ安全に気を配っているか、よく知っているだけに本当に胸が痛みました。
須藤さん母娘だって、きっとものすごく気をつけて暮らしていたはずです。

ご両親が滞在されていたのが、不幸中の幸いでしたね。
本当に怖い思いをされたとは思うのですが、ケガがなかったことを心から喜んでいます。

事件とブログに因果関係がある!?

……と、ここまでは、きっとみなさんもデイジーと同じように思ったことでしょう。

しかし、実はこのことで、会社でママ同士、正確にはデイジー対スタッフふたりと思わぬ議論に!!
そのおかげで、デイジーが感じたモヤモヤの正体がわかったので、シェアしたいと思います。

わが社(マレーシアにある方)は、週に1度のペースでスタッフみんなで顔を合わせてミーティングをするのですが、それ以外の日は仕事をする場所はそれぞれで、「チャットワーク」というコミュニケーションツールを使って業務のやりとりをしています。
毎朝夕、始業と終業の挨拶ををするのですが、その中であるスタッフがこんなつぶやきを漏らしました。

スタッフAさん 「子どもの顔出しは、結構危険かもしれないですね……」

このメッセージを見たデイジー、真っ先に頭をよぎったのは「???」というはてなマークでした。

デイジー 「犯人は日本語読めないのに?? ブログで顔を出してたからではなくて、ブログを書いていた人が、たまたま狙われただけでは?」

ところが、BさんがAさんに同調し始めました。

スタッフBさん 「写真でだいたいどこに住んでるかもわかりますよね……デイジーさんも気をつけたほうがいいのでは」

デイジー 「(ますます言ってる意味がわからん) マレーシア人がわざわざ日本人のブログ見つけて、その人を狙うのはまずムリだと思います(大体、英語さえ読んでないじゃん!!)。もしもこれが日本人の犯行だったら、もちろん狙われた可能性があると考えますけど……」

でも、デイジーの反論に、スタッフふたりはまったくうなずく気配がありません。
ついには、「たとえ1%でも可能性があるなら、写真は取り下げてもいいのでは。自分ならそうする」という話に!!!

子どもの顔丸出しでブログを書いてるデイジーは、スタッフふたりから完全否定されているようなものですから、到底納得できません。

今回の事件と子どもの顔出しに、なんの因果関係あるというのでしょう?
そもそも、ブログやSNSに子どもの写真を載せたことで、誘拐された例があるのでしょうか?
(子どもの写真をSNSに載せて、その子に訴えられた両親のニュースはありましたね! )

世界は広いので、ひょっとするとそういうこともあるかもしれません。
また、今はまだ起きていなくても、これから世界中が凍りつくような事件が起こる可能性は十分にあります。

しかし、それはブログやSNSに子どもの顔を載せている親の何パーセントに起こるのでしょう??
交通事故のほうがよっぽど確率高くないですか???(特にマレーシア!)

みんな過剰反応しすぎでしょ!? ひとんちのことはほっとけ!!

デイジーが、スタッフふたりの言葉にスッキリしなかった理由がわかりました。

事件に遭ったのは、まるで被害者にも落ち度があったかのように考えている?? 若干被害者を責めている?? と感じたからです。
(もちろん、ふたりともそのつもりはないと否定していましたが、デイジー的には事件とブログのふたつを関連づけていることで非難めいた匂いを嗅ぎ取ってしまいました)

余談ですが、痴漢やレイプなどの性犯罪にありがちですが、「被害者にも落ち度があった」という考え方は、「公正世界仮説」から来ているのだそうです。

「いいことはいい人に、悪いことは悪い人に起こるから、悪いことが起きたあの人にも悪いところがあったに違いない」という捉え方ですね。
昨晩、ごまたろう(夫)が教えてくれたのですが、なるほど、日本人にはこういう考え方をする人が多そうです。
これについて語り出すとまた長くなるので、またの機会に。
気になる人はチェックしてみてくださいね!

と・こ・ろ・で、
もしも個人が発信するブログやSNSが、過剰な心配に支配された当たり障りのない投稿で溢れていたら、誰も心を動かされないと思いませんか?

デイジーは編集者として、発信者として、それはつまらないなあと思ってしまうのです。
須藤さんも、フォトグラファーという職業柄、ご自身のお子さんの顔をキラキラで隠す、という選択肢はなかったのでしょう。

自分たちのエゴに子どもを利用していると言われたら、その通りかもしれません。
でも、そう思うなら、そんなブログはゴミと思って読まなければいいだけの話です。

また、「ブログやSNSに子どもの写真を載せていること」と「子どもの安全対策を怠っていること」は、必ずしもイコールではないのです。
それにうちには秘密兵器もありますし!?(その正体はブログの最後で)

ちなみにSNSと子どもについてのデイジーの考え、ウェブ界隈で有名な永江一石さんとほぼ一緒です。
(永江さんのメルマガは、noteで毎週欠かさず読んでます)

子供の写真をソーシャルに掲載する是非について冷静に考えたい

言い方は少々過激ですが、永江さんの言葉を借りれば、ホント「ひとんちのことはほっとけ!」ですよ。

しかも、ここは外国。
マレーシア人犯罪者が、わざわざ日本人のブログなんかチェックしないです。

たとえば、デイジーがマレーシアでテレビや動画にバンバン出る超有名人だったり、あるいはいかにもお金を持っていそうなゴージャスな格好でもしていれば話は別ですが、それはありえません(万年ビーサンで、しかもその汚さに最近驚愕したところです!!)。

万一日本で有名人だったとしても、わざわざマレーシアまでやって来て、デイジーのために(?)デイジーのせいで(?)刑務所に入る危険を犯す人は、まずいないでしょう。

先にも挙げたとおり、交通事故に遭遇する確率の方がはるかに高いです。
(マレーシアの人口は日本のおよそ4分の1ですが、交通事故の件数は5倍です!!)

もしもうちの子が犯罪に巻き込まれるようなことがあったら、それは「狙われた」のではなくて、「たまたまそこにいたから」という理由がもっとも現実的でしょう。

心配ばかりしていたら、どこにも行かずに、何も発信せずに、引きこもっていなければならなくなってしまいます。
起きてもいないことを過剰に心配して行動しないのは、デイジーはイヤなんです!(性分としてムリなんです!)

そもそも、本当に「誘拐未遂事件」だったのか?

スタッフふたりとどうも話が平行線だと思っていたら、突然、お互いに事件の捉え方がまったく違っていることに気づきました。

あ、あ、あ、あ、このふたりは、この事件を須藤さんのブログのタイトル通り「誘拐未遂事件」だと思ってるんだ!!!
だから、ブログと結びつけているんだ!!!

しかしデイジーは、須藤さんのブログを読んで、これは「誘拐未遂」ではなく「強盗未遂」だと思ったのですよ。
その理由はとてもシンプルです。

いかに大人の男といはいえ、犯人が6歳の子ども(うちのじろうはおよそ20kgあります)を担いで、非常階段を使って(?)逃げるのは、まったくもって現実的ではありません。
しかも、165cmの小柄な男でしたよね。

もしもデイジーが子どもを誘拐するなら、路肩に車を停め、そこを通りかかったターゲットを車に押し込んで走り去ります。
わざわざ危険を冒して、コンドミニアムに入り込み、玄関付近で待ち伏せて誘拐しようとしたりはしません。
あるいは、赤ちゃんなどもっと小さい子だったら、マレーシアでよくある手口として知られているとおり、ショッピングモールで連れ去りますね。

ご本人の説明している状況からしても、誘拐だった可能性は低いと思われます。
(あくまでもデイジーの私見です。複数犯だったかどうかも、このブログの文章からは特定できません。マレーシア人はいつだってスマホをいじっているから!)

もちろん、誘拐未遂だったにしろ、強盗未遂だったにしろ、当のご本人たちにしてみれば本当に大変な状況だったには違いありません。
ナイフを持った男に子どもを取られるなんて、考えただけでも心臓がバクバクします……。

それでも今回の事件とブログは、やっぱり無関係だと思うのです。

マレーシアで強盗にあったらどうするか?

誘拐だって、強盗だって、絶対に巻き込まれたくない犯罪です。
ただし、誘拐は大人が子どもを見守ることで、ある程度防ぐことができます。

じゃあ、強盗に遭ったらどうするか?
デイジーに決め手となる策があるわけではありません。
しかし、強盗ならお金を渡せば済むケースが多いようです。

強盗と出くわしたときに、お金を渡すポイントはたった一つ。
財布を取り出して強盗に見せたら、それをできるだけ遠くへ投げる、です。
ちょうど犬に棒きれやボールを投げるように、ですね。

その間に逃げます。
お金が目当てなら、もうそれ以上追ってくる危険は少ないでしょう。

実は以前、強盗対策にダミーのお財布を持ち歩いていたのですが、最近はすっかりそんなこともしなくなってしまったので、これを機にまた持とうと思っています。

マレーシアに暮らして、まもなく丸6年。
これまでありがたいことに、危ない目に遭ったことはありません。

しかし、いつ何があるかわからないのが人生です。
特に外国で本当に怖い目にあったら、事故やケガや病気をしたら、そのときは帰国する可能性があることを改めて思い知りました。

どこにいてもみなさんが、毎日笑顔で安全に過ごせますように。
須藤さんとお嬢さんの心の傷が、一日も早く癒えますように。

最後に、うちの防犯対策の秘密兵器をご紹介します!

プチバセットのポコ、11歳オス。
雷が鳴ると怖くてぶるぶる震えるくらいのヘタレゆえに、知らない人がくると猛烈に吠えます(最初だけ)。
ちなみに毎週2回、5年も通ってくれたたクリーナーには、最後まで吠え続けてました(´Д`)

そう、立派な番犬です。
しかも、バセットハウンドの流れを汲む犬なので、見た目と違ってものすごく声が低音で太くよく響くのです♪

うちはコンドミニアムではなくゲーテッドハウス(高圧電流が流れる塀に囲まれた、24時間セキュリティが常駐する居住エリアにある戸建)ですが、仮に泥棒がセキュリティを突破できても、ポコが番犬してくれるおかげで、わが家が狙われる危険は非常に低いです。
特に犬を不浄とするイスラム教徒のマレー系からは、ターゲットにされにくいと思われます。

こちらはポコの姉、ペコ11歳。
ポコほどのヘタレではありませんが、人懐こくまったく吠えませんw
しかし、玄関が定位置。
いつも外を見張っていてくれます♪(根っからのハンター気質ゆえ、本人の興味があるのは、リス、ネコなど)

余談ですが、エプソムの留学生たちが、不二家のペコちゃんとポコちゃんの存在を知らなくて驚きました……!!     
デイジーの子どもの頃なんて、洋菓子といえば不二家だったのに!!  
(もちろん、うちの子たちの名前は不二家から来ています♪)